eMMCって何?: ただの遅いけど小さいストレージです

eMMCストレージ
最近発売された、界隈では「ゴミ」などと酷評されたアイリスオーヤマ製PCなどに搭載されているストレージ、eMMC。格安PCなどでこれをご覧になった方もいらっしゃると思います。ほかにもタブレットスマホなどのコンパクトデバイスにも搭載が多いですね。

そこで、eMMCって何?と思われた方もいるでしょう。実際、eMMCはSSDやHDDに比べて知名度は全然低いです。そこで、eMMCは何なのかについて説明していきたいと思います。

eMMCとは?

eMMCは、フラッシュメモリーを基本とするストレージ(記憶装置)のことで、embedded Multi Media Cardの略称です。まあ、取り外しをしない(ほぼできない)SDカードのようなものです。

eMMCはその特徴として、サイズがコンパクトであること、そして電力消費量がかなり低いという点が挙げられます。この特徴からご察しのいい読者様は気づかれているかもしれませんが、スマホ、音楽プレーヤーなど、持ち運びをする製品に組み込まれていることが多いです。

しかし、残念ながら容量は少なく、多くの場合64GBまで、まれに128GBがある程度です。そのため、パソコンなどに使うには、やや不安の残る容量です。もっとストレートに言うと、Windows 10を入れるだけで結構カツカツです。なので、あくまでモバイル用途がメインとなっています。とはいっても、一部パソコンには搭載されているのですがね・・・。

eMMCとSSDの違い

上の項で書いたことと重複してしまうかもしれませんが、ここではeMMCとSSDの違いを説明していきます。

価格

SSDとeMMCでは、容量当たりの価格ではあまり変わりません。しかし、容量、用途などほかの問題からこの2つが価格で競争することはあまりないので、この点はそこまで重要ではないでしょう。

消費電力

SSDもHDDに比べると消費電力は可動部がない分だいぶ低いですが、eMMCはそれよりも圧倒的に低いです。そのため、そもそもストレージの消費電力は小さくそこまでの差ではないですが、バッテリーがよく持つことになります。

容量

容量に関しては、SSDが圧倒的です。eMMCはせいぜい128GB程度ですが、SSDは普通にテラバイト単位のものも売られています。逆にSSDではeMMCほど低容量のものを見つけるのが難しいくらいです。というか、だから容量の少ない激安パソコンとかにeMMCがのっかっているんです。

サイズ

SSDもNVMe SSDなどによりだいぶ小型化されてきましたが、eMMCにはさすがに及びません。もちろん、サイズ当たりの容量ではSSDが有利なのですが、実際eMMCを使う場合は容量よりコンパクトさ重視の場合が多いです。なので、その面においてeMMCの優位性は大きいといえるでしょう。

速度

速度に関しては、SSDがeMMCに対して大きく優勢です。eMMCも昨今は高速化が進んできていますが、いまだSSDの水準に対しては程遠いです。SSDも進歩著しいので、残念ながらeMMCの速度がSSDに追いつくことはないでしょう。

結局、eMMCってどうなの?

だらだら書く気もないので結論から言うと、eMMCは「容量は少ないが、サイズが小さく消費電力も低い、ポータブルデバイス向けのストレージ」です。

つまり、これがPCに搭載されていたらそれはゴミPCです。しかし、スマホタブレットのようなポータブルデバイスの場合、決して良くはないものの及第点レベルのものです。

なので、聞きなれない名前のストレージだからと言って安易に回避せずに、用途・容量を考えて、もしマッチするのであればeMMCも候補に含めてみてくださいね。