簡易水冷って正直良いの? 初心者さんにはあまりおすすめできないかも

簡易水冷(Corsair)
自作PCに詳しい方はご存じ、簡易水冷。その見た目や、冷却性能の高さから、OC(オーバークロック)をする方などに安定した人気を誇っています。しかし、その分コスパは悪く、また液漏れといったリスクもあります。

今回は、そんな簡易水冷は正直どんなもんなのか、をご説明していきます。

簡易水冷とは

まず、簡易水冷について簡単に説明します。簡易水冷とは、その名の通り冷却にクーラント液と呼ばれる液体を使用するCPUクーラーです。

簡易水冷の仕組み

仕組みとしてはこの図のように、水枕を冷却液が通るときにCPUが冷却され、そこでCPUの熱を受け取って温まった冷却液は、ラジエーターで冷却され、再び水枕へと向かう、といった仕組みとなっています。

そのため、冷却液の温度を低くするためのラジエーターの大きさが冷却能力に大きな影響を与えています。ちなみにラジエーターの大きさには主に120mm, 140mm, 240mm, 280mm, 360mmのものがあります。

簡易水冷のメリット・デメリット

メリット

  • 冷却性能が高い: 簡易水冷は、ファンの設置可能な数などから、概して冷却性能は空冷に比べて高いです。そのため、Core i9-10900Kといった発熱の大きいCPUも、比較的低い温度に抑えて、高いパフォーマンスを引き出せたりします。
  • エアフローがほとんど不要: 簡易水冷の場合、ラジエーターはケースの外側に向けておくので、ケースの内部に熱がたまることがほぼありません。
  • 見た目がかっこいい: 空冷の場合CPUの上に無骨な見た目のヒートシンクが配置されていますが、簡易水冷の場合水枕しかないので、シンプルでかっこいい見た目になります。具体的にはこんな感じです。(下写真参照)

    簡易水冷搭載PC

デメリット

  • コスパが悪い: そのシステムの複雑さから、冷却性能に対する価格は空冷と比べて大幅に高いです。140mmラジエーターの水冷までの冷却力なら空冷でも十分得られるので、小さな水冷はメリットが小さいです。
  • リスクがある: 簡易水冷はなかの冷却液がもれてしまう事故がごくまれにおきてしまいます。その場合、CPU等の部品も故障してしまう可能性がある、というリスクがあります。もちろん、冷却液を必要としない空冷でこの問題は起こりません。

まとめ: 結局、簡易水冷ってどうなの?

結論から言うと、初心者さんにはあまりおすすめできない冷却方式です。

フレキシブルなレイアウトが可能であったり、見た目がシンプルでかっこいいといったメリットはありますが、コスパやトラブルが起こってしまった場合などを考えると、空冷にしておくのが無難だと思います。

もちろん、超高性能CPUを使う場合や、デザインを最重要視する場合はこの通りではありませんが、やはり初めの自作の場合は、戸惑うことも多いので、空冷を第一の選択肢にしておくほうが良いです。

逆に、中級者~のかたは、これでないといけないということはありませんので、コンセプトや用途に合わせて、自分にとって最適なものを選んでみてください。

 この記事は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。