11世代Intelは買い?しばらくは待ちが正解かも

11th Gen Intel CPU
3/30についに販売が解禁されたコードネーム「Rocket Lake」こと第11世代インテル CPU。今回は、果たしてこの新CPUは買いなのかどうかを解説していきます。

11世代CPUの性能

11世代CPUの性能(各Coreの中で最も高性能なもの)は以下の表のようになっています。

スペック Core i9 11900K Core i7 11700K Core i5 11600K Core i3 10325
プロセス 14nm 14nm 14nm 14nm
コア 8 8 6 4
スレッド 16 16 12 8
基本クロック 3.5Ghz 3.6Ghz 3.9Ghz 3.9Ghz
最大クロック 5.3Ghz 5.0Ghz 4.9Ghz 4.7Ghz
TDP 125W 125W 125W 65W
世代 11世代 11世代 11世代 10世代 リフレッシュ

コア数に関しては基本的に前世代と同じで、Core i9に関しては2コア減ってしまっています。また、クロックに関してもやや低めとなっているために、全体的な性能は多少低下していると思われます。

この数字のみを見ているとただの10世代の劣化のようにも見えますが、実際は見えないところでしっかりと進化を果たしています。具体的には、IPCと呼ばれるクロック当たりの性能が最大19%向上しているとインテルが発表しています。それがあってもちょっと低くないか。

Core別11世代CPUの評価

ここからは、Core別に11世代CPUの評価をしていきます。

Core i9 11900K

Intel Core i9 11900K

評価- 星2: 買うなとは言わないがおすすめはできない

Core i9 11900Kですが、前世代からコア数が2減ったこともあり、マルチスレッド性能としては低下してしまっています。むろん、そうはいってもただの劣化版なわけではなく、前述したIPCの向上などにより、シングルスレッド性能は向上しており、ゲーム向けCPUの座を再びAMD Ryzenから奪還しようとしています。

とはいえ、その性能の伸びは限定的であり、今年中にまた新世代が登場予定であることや価格なども考えると、あまりおすすめできないCPUとなっています。ただ、その新世代があるために大幅な値下げがある可能性も否定できないので、その場合にはまた違った評価になってくるかもしれません。

しかし現段階では、あえて買う必要はない、それどころか前世代の10900Kのほうがコスパ的におすすめしたい、というのが僕的な本音です。

Core i7 11700Kの評価

Core i7 11700K

評価- 星3: 今後の価格次第ではまぁ・・

Core i7 11700Kの性能は、前世代の10700Kと比べてコアが増えたり、クロックが大幅アップしたわけではないので、実質IPCの向上分ぐらいしか伸びていません。

そして現在、10700Kは値段もだんだんとこなれてきてついには30000円台に突入しています。そんな中で、たいして性能が変わらないにもかかわらず5万円台の11700Kを買う意味はないといっても過言ではありません。正直、僕なら11700Kを買うくらいなら前世代の10900Kを買います。

しかし、Core i9の項でも述べた通り、今年中にまた新世代のCPUが発売される予定なので、この後急速に値段が下がる可能性もあります。その価格次第ではお買い得なCPUになるというポテンシャルを秘めているものであるともいえるでしょう。

Core i5 11600Kの評価

Core i5 11600K

評価- 星2: 電力効率が低すぎる

Core i5 11600Kですが、正直選ぶ必要性が見出せません。なぜ3万数千円(≒10700Kの値段)も支払って、TDP125Wとかいう電力効率が低い&冷却に難があるCPUを選ばなきゃいけないのでしょうか。

TDP125Wともなると、マザーボード・クーラーともにある程度高く高性能なものが必要になってきますし、そうなるとそれこそなぜミドル帯のCPUを選ぶのかわからなくなってしまいます。95Wくらいまでならまだよかったのですが、125Wは高すぎです。

そのため評価は星2、なんなら星1よりの星2です。もちろん、買うことを否定はしませんが、それよりはRyzen 5 3600や、10700Kなどを僕はおすすめします。ただ、今後の価格次第では評価が変化しますので、その点ご了承ください。ちなみに記事執筆時点での価格は37000円ほどです。

Core i3 10325の評価

Core i3

評価- 星3: フツーのCore i3、値段が下がってからが買い時

Core i3 10325ですが、これは10世代のリフレッシュ版であり、IPCの16%向上というのはありません。また、PCIeは3.0まで、メモリもDDR4-2666までの対応です。

ただ、個人的にはこれはそこまで問題はないと思っています。というのも、もともとCore i3を買う人は比較的廉価なPCのことが多く、高クロックのメモリや、PCIe 4.0対応のSSDなどはあまり使用されない傾向にあるためです。

性能に関しても、4コア8スレッドという典型的なCore i3という感じで、特に問題もありません。強いて言うなら価格が2万円程度と高いことですが、いつもCore i3はすぐに値下がりするので大丈夫だと思われます。ですが、値下がりする前のコスパは異常なほど悪いので、買うなら値段が下がり価格が落ち着いてきたころにしましょう。

まとめ

11世代インテル CPUですが、やはり発売開始すぐは価格が高いです。なので、今すぐであれば10世代のCPUのほうが「買い」でしょう。ただ、長い目で見ればだんだんと価格も下がり落ち着いてきますので、その時がきたら、という感じです。

しかし、今年の後半には10nmプロセスの新世代の発表・発売があるといわれており、その性能次第では11世代は△になってしまう可能性があるため、今回は評価を少し低めにつけてみました。まぁ、何事も今後次第です。

以上、11世代Intelは買いかについての解説でした。